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追悼 鶴見俊輔氏

政治運動家としても知られる、哲学者の鶴見俊輔氏。
彼の著作をご紹介いたします。

戦後を生きる意味
戦後を生きる意味
再版 カバー帯付 朱書込有 昭56 筑摩書房 1,260円

戦後にうまれそだった人びとにまじってくらしてゆく時にも、私の望みはそういうところにあり、
そこからはなれると自分の道すじを見失ってしまう。
そういう問題の保ち方は、今の若い人にはおろかだと感じられるかもしれないが、
別の流儀で今のところをほっているうちに共通の場所に出て、
問題の共通性におたがいに気づくこともあるかもしれない。(あとがきより抜粋)

15年間、毎年8月15日に頭髪を切り、丸坊主にしたという鶴見氏と安田武氏、山田宗睦氏。
その行為に込められた思いを理解することができるだろうか。

高野長英
高野長英
初版 カバー帯付 昭50 朝日新聞社 1,575円

後世からみると、長英の決断の前提となった歴史的判断は間違っていた。
しかし、法に従わないで生きる道を選んだという長英の決断は、
封建社会の道徳に押しつぶされない弾力的なエゴに裏打ちされた行動であり、
ひとつの思想として私たちの前におかれる。(帯より抜粋)

マンガやジャーナリズム、近代史について、とてつもない知識を持っていたという鶴見氏。
そんな彼が編集にかかわっているこの書籍も紹介。
前衛漫画傑作集
第2期・現代漫画12 前衛漫画傑作集
初版 函帯付 昭46 筑摩書房 1,575円

赤瀬川原平や佐伯俊男、つげ忠男など、新たな漫画表現を模索する17作家の傑作集。

同シリーズの内「永島慎二集」「滝田ゆう集」「福地泡介集」「富永一郎集」も在庫があります。
これらは8月1日のガレージセールにて陳列予定。

以悲留-1 以悲留-3
以悲留 第2号
安田武をイビル会 昭58 4,725円

以悲留-2
「同時代に生きる―60年安保闘争側面私史―」という芳談会が掲載されている。
芳談者は鶴見俊輔・山田宗睦・安田武・白鳥邦夫の4名。

各々の人生を思い出しながら語る戦後の時代。
笑もあれば、胸に刺さる言葉も出る。

死んだ人々は、還ってこない以上
生き残った人々は、何が判ればいい?
この言葉の重さをかみしめながら、戦争で死んだあらゆる人々の冥福を祈りつつ。(編集後記より抜粋)

モコモコ
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夏のイチオシ☆彡

暑い夏をすこしでも涼しくさせるものはそう怖い話👻です!怪談👻です!
でも四谷怪談や番町皿屋敷はとっても怖いですよね。

幽霊は怖いけど、でも妖怪ならあまり怖くないというか、何となく親しみやすいというか、
いろいろ知ってみたい感じがします。そもそも幽霊と妖怪はどこがどう違うのか?
人間の形をしているお化けが幽霊(・・?)人間外のお化けが妖怪(・・?)

そんなときにこの1冊!
図3


この本によりますと、意思を持っている幽霊は人間の真の恐怖心を呼び起こすものに対し、
超自然的なものである妖怪は不思議よりの怖さのようです。
相違点は他にもあります。
幽霊は恨みや怨念などの一定の意思をもって向うからやってくる場合が多いが、
妖怪は出てくる場所が大抵決まっているので、そこを通らなければ
一生出くわさずに済むそうです。
また、あらわれる時間帯も幽霊は丑三つ時で、妖怪は大体夕暮れ時とか、
明け方の薄明かりのころとあります。
ということは幽霊と妖怪に一気に出くわすことはなさそうですね…!
ポルターガイストや口裂け女などオカルト的なものについても書かれていて面白いです。


魔女VS山姥…。こちらも怖いです!!
図5
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火山とは

みなさまこんにちは。スタッフのモコモコです。

最近は地震が多かったり各地の活火山の動きが不穏だったり、口永良部島は噴火したり、不安な日々が続いておりますね。
まずはみなさん、その不安の原因、火山というものについて知りましょう!

285105日本の火山
「日本の火山」森本良平
昭33 創元社 初版 カバー付 1,575円

火山のかたち・うごき・生い立ちなど、火山てなぁに?という疑問を解消してくれる一冊です。

噴火とはなんなのか、どんなものなのか。
噴火という事象を研究するために被害にあわれた方々もいる。
「噴火すげぇ~」なんて簡単な感想で済ませていいようなことではないのです。

「火山のうごき」の中では桜島も取り上げております。
285105日本の火山 桜島

災害が起こったとき、頼りになるのは誰なのか。
322035普賢鳴りやまず
「普賢、鳴りやまず」鐘ヶ江管一
平5 集英社 初版 カバー帯付 墨署名落款入 1,260円

平成に入ってからの災害ですので、覚えている方も多くいるのではないでしょうか。
被災してから復興までをつづった一冊。
警戒区域の設定が、どんな安心をもたらし、どんな弊害をもたらすか、ご存知ですか?
安易に設定できない理由があるのです。

いつ、どんな時にどんなところで災害に出くわすかわからないからこそ、
体験記を読んで知識を得て、もしもの時に備えることは大切なことではないでしょうか。


自分の身は自分で守れるように、大切な人も、自分で守れるくらいに。
みなさん一緒にがんばりましょう!

モコモコ
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大正期のキリスト教書籍出版

大正期のキリスト教書籍出版:日本基督教興文協会

大正2年(1913年)に<基督教文学の著作及び弘布〔公布〕>を旨として発足した基督教興文協会(英語名:Christian Literature Society of Japan)は、メソジスト教会の宣教師エス(サミュエル)・エッチ・ウエインライト(ウエンライト)が主幹を務め、最初の発行物として、『日本国民に伝ふる音信』(教文館・警醒社)の小冊子を世に送り出した。

同興文協会は、大正3年に東京基督教興文協会から日本基督教興文協会へと名を改め、以後、大正期の間、数多くのキリスト教関連書籍の出版を行なっている。『日本国民に伝ふる音信』の発行所が教文館・警醒社の二社であったように、大正3年の発行所は興文協会と教文館を併記していたが、大正4年頃には正式に興文協会を発行所と定め、発売所として教文館・警醒社その他のキリスト教関連書籍会社の名を挙げるようになる。

さりながら、同会の存続期間は短命であった。教文館公式ホームページの「教文館物語」に拠れば、大正12年(1923年)の震災により京橋区(現・中央区)明石町の社屋を失ったため、その土地を売却して、大正15年(1926年)に教文館と合併し、英語名称はChristian Literature Society of Japanを残す形となったと云う。
www.kyobunkwan.co.jp/about_us/history

なお、『赤毛のアン』の紹介者として夙に名のある村岡花子が最初の出版物『炉辺』(安中花子名義、大正6年)を上梓した出版社がこの興文協会であった。彼女は、その後、同所に務めることになる。ちなみに興文協会の印刷は花子の結婚相手となった村岡儆三の父である村岡平吉が一手に引き受けていた。

今回、紹介するのは同会成立初期の叢書「現代要求叢書」と「伝道叢書」である。当時、袖珍本として類書を数多出すほど流行したアカギ叢書(大正3年刊)と同じ大きさ・厚さの小冊子の体で出版されたことも時代性と相俟って興味深い。

まず、「現代要求叢書」の2冊は以下の通り。
現代要求叢書

第1、稲垣陽一郎『時代の要求と不易の福音』東京基督教興文協会、大正3年、再版、右
第2、山室軍平『生活問題と基督教』日本基督教興文協会、大正3年、左

上記執筆者のうち、山室は日本救世軍の創設者であり、日本最初の伝道者として著名であろう。稲垣は日本聖公会に属し、当時は仙台聖公会管理長老の職に就いていた。後に東京の聖公会神学校の教授となった。説教集『魂の平安』や『さくらめんと』等の著書の他、翻訳書も少なからず出ている。この2冊以降、出版されているかどうかは不明である。

次に掲げるのは「伝道叢書」である。先の「現代要求叢書」に続けて発刊された叢書で、大正6年までに20数冊出た模様。ここでは不揃9冊を紹介したい。
伝道叢書伝道叢書2
第2、今井革『祖先供養と基督教』日本基督教興文協会、大正4年
第3、今井革『仏の因果と神の摂理』同、大正4年
第4、今井革『仏の戒律と神の聖霊』同、大正4年
第5、小崎弘道・植村正久『基督教要綱』同、大正4年、再版
第11、小北寅之助『隠れた宝』同、大正5年
第13、天笠喜三(海軍大佐)『我信仰と基督教』同、大正5年
第15、山本忠興・谷津善次郎・大工原銀太郎『科学と信仰』同、大正5年
第16、植村正久『人生と宗教』同、大正5年
第19、柏井園『我等の聖書』同、大正6年

同叢書中、執筆者植村正久は言わずと知れた明治初期のキリスト教の伝道者・牧師である。同叢書執筆当時は全国を巡る伝道事業に従事していた頃であった。

また、小崎弘道は明治9年(1876年)に熊本でジェーンズ大尉より受洗し、同志社に入った人物であり、新島襄の後を襲って同志社の校長として在職した後、霊南坂教会の牧師を長く務めた。日本組合教派に属し、同理事に就いた他、日本日曜学校教会名誉理事、南洋伝道団団長、海外伝道教会会長も務め、多数の著訳書を物している。

柏井園は明治学院や、植村正久が設立した東京神学社に教鞭を執り、終生、神学教育に尽力した人物である。『柏井全集』全6巻(警醒社書店)・続編5巻及び別巻『基督教史』(長崎書店)にその業績が収められている。

今井革は、真言宗の布教使として住職の地位にあったが、北海道に赴任した際、寒さでリュウマチに罹り、故郷の堺・泉州で転地療養をしていた折、キリスト教の説教に接し、キリスト教へ改宗した人物である。仏教信者であった経験を生かし、仏教とキリスト教の違いを説いて回った。殊に仏教信者に対してキリスト教の教えを説いた書が多い。上記の「伝道叢書」3冊も然り。また、大正11年(1923年)と昭和6年には渡米し、ハワイの各派教会で伝道を行なっている。

小北寅之助は同志社神学校出身の牧師。山本忠興は早稲田大学の電気工学科教授であるが、植村正久の指導でキリスト教に入信した人物であり、谷津善次郎は東北学院出身の牧師である。大工原銀太郎は農学博士として同書執筆当時は東京帝国大学で教鞭を執っていたが、後に九州帝大教から総長となり、その後、同志社大学総長も務めた。

書誌的な観点から見れば、この叢書は、大正4年刊行の第2から第5までは、発行元の基督教興文協会の代表者としてイー・エヌ・ウワーンの名が印字されている。ウワーン(ワアンとも表記)は、バプテスト派の伝道師として、明治29年(1896年)に長崎で伝道を開始した宣教師である。後に、バプテスト教会西部組合の出版主事となり、広島に移っている。大正5年以降の代表者名は再びウエンライト(或いはウェンライト)に復している。

興文協会の主幹を務めたウエインライト(ウェンライト)は、合併した教文館の主幹となり、教文館の新社屋建設に心を砕いたと「教文館物語」に誌されている。かくして、昭和8年(1933年)にアントニン・レーモンド設計により現在地に建物が完成した。現在、彼の名を冠したウェンライト・ホールが貸しスペースとして供されている。(燈台守)
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スタッフのイチオシ☆第2回

第2回『スタッフのイチオシ☆』です

旅行にぴったりの季節になりましたね(^^)今年の観光スポットはやっぱり北陸でしょうか。
北陸新幹線が開業して、東京~金沢が約2時間半で行けるそうですね。
今年度末には北海道新幹線も開業するようで鉄道熱いですね!
金沢はむかし家族旅行で行ったときはたしか上野~越後湯沢~金沢という経路で向かいました。
なんか遠回り~地図だとまっすぐ行けるのに~と子供心に思いましたが、
それでもがたんごとんと列車に揺られての旅は夏休みの良い思い出になりました。

そんな気持ちとリンクするようなこの1冊!「そこにレールがあったから」!

図1

著者は20余年にわたって、ひたすら日本各地を鉄道でまわっております。
昭和43年(まだ国鉄です)に上野~日暮里間をスタートして、まずは本州から九州、四国、北海道と乗りつくし
途中いったん中断しますが、平成6年に念願の全線乗車を達成します。

図2

駅弁も楽しみながら…。

この著者にとっての旅とは目的地に速く着くことではありません。
車窓の風景を味わいながら、一歩ずつ近づいていくことを喜びとしていて、
「道中こそが旅の醍醐味」という言葉が響きます。
今ではスマホでさくっと調べて、昔とは比べ物にならないくらい効率の良い旅ができますが、
でもやっぱりゆっくり~のんびり~の列車の旅って味わいがあっていいなあと思います!


もっと遠くへ行きたい方はこちらも☆彡

図3

豪華客船で世界ぐるっとしています!!
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